お江戸の夏の過ごし方。

 

『平成最後の夏』は酷暑でございますねエ。毎日お暑い中、いかがお過ごしですか?

『クーラーガンガンに効かせてアイスクリーム食べちゃう!』
『プールに泳ぎにいく!』
『キンキンに冷やした麦茶(麦酒)を飲みながら甲子園を応援!』

平成(現代)特有の夏の楽しみ方ですよね。最高ですよね。
しかしクーラーもなきゃ、アイスもないし、江戸の頃。
江戸の人々(町人)はどんな風に夏を過ごしていたのでしょうか?

 

本日はそいつをチョイとご紹介します。

基本的に、江戸の町人たちはみんなフリーター(自営業)です。
大店に奉公している方や武士を除いて、ほぼ大多数が自営業。
(手に職系を習得して働くというのは若干別のお話ですが)

なので

『働きたいときに働き、休みたい時はとことん休む』

という現代人が聞いたら羨ましさで胸が破り裂けちゃう自由さを
持っているのです!

もちろん社会福祉も保障もないので、すべて自己責任。
食い扶持に困っても『そん時はそん時』と考える江戸っ子は多かったことでしょう。

そんなわけで
『夏の前に働いて、暑い時は遊んじゃう(or働かない)』が江戸人の基本スタンスでございました。

楽しんじゃうレベルにも色々あります。
大きく分けて
お金を出して楽しむ派、出さないで楽しむ派です。

バカンスを楽しみたいパーリーピーポー向けには
『舟遊び』
リッチに花火クルーズです。

船をレンタルして、川の上から花火を満喫。お洒落してお酒飲んで楽しんじゃう。ロマンチックな夏の夜を過ごします。風流を楽しみたい心持ちというのは、江戸からそう大きく変わらないもんだなぁと思います。

 

そして
お金がなきゃないで楽しむのがお江戸スピリッツ。

のんびり楽しみたい庶民向けには『夕涼み』です。

 

川端の縁台(ベンチ)に座って、打ち水をして冷水を飲んでひんやり涼しく過ごします。

冷水(ひやみず)は、冷たい井戸水に砂糖と団子を入れた
江戸版タピオカジュース(ちょっと違うか・・)のようなものです。

喉の渇きを癒しながら、お天道様が沈んでいく様をのんびり見守ります。

冷水の他にも甘酒なども夏でも売っていたそうです。
熱中症対策とまではいきませんが、夏バテ予防、滋養のために飲んでいました。

現代でも
甘酒は『夏バテ防止栄養ドリンク』として見直されてますよね。
『八海山の甘酒』おすすめですよ!
甘酒は甘さが強くて苦手だったのですが、これは美味です。

ちなみにこちらのCM、我が蜂寅企画のプロデューサー板倉がナレーションしていますよ。
(ダイレクトなマーケティングを展開!蜂寅にはビタイチ入りませんけれども笑)

 

ところで。
上でご紹介した浮世絵、なんか妙な形してると思いませんか?
全体が楕円形で下部分がえぐれたように欠けている・・この形何かに似てませんか?

そうこの浮世絵自体が『うちわ』なんですよ!
お、おしゃれ!
お気に入りの絵師の団扇で涼む・・なんてイイじゃあありませんか。

 

 

江戸人の夏の過ごし方、いかがでしたでしょうか?
他にも楽しみ方はまだまだあるので、いつかまたご紹介したいです。

まだまだ酷暑が続くそうです。
江戸人の『夏はそんなに頑張らない』ゆるゆるスタイルをほんのちょっぴりでも参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

参考文献
『大江戸復元図鑑<庶民編>』笹間良彦
『江戸商売図案』三谷一馬
『江戸庶民風俗図絵』三谷一馬
『夏けしき昼夜どけい ひる七ツ時』歌川国芳
『美人子ども十二ヶ月シリーズ 皐月川開 両国ばし』歌川国芳